第8章 【Bハロ】ホワイト・バーチ【愛染健十】
「目が覚めた?俺のお姫様。」
わたしが目を覚ますと、見知らぬ暗くて冷たい場所だった。
ここはどこ?そう目で訴えたことが伝わったらしい。彼は自慢げにはなしだした。
「ここは俺の城。どう?暗くて気持ちいいだろ。」
「そうね。ケント。元気になったようでよかったわ。」
わたしは欠伸をしながら返事をした。
「お姫様のお陰さ。俺、あんたのことが気に入った。だからここで俺たちの仲間として暮らそう。」
ケントが腕を広げて笑顔になるが、出入口の方からぶっきらぼうな声が聞こえた。
「俺は反対だぞ。」
「ごーうちん。ここはケンケンのお城だよ?…それに、ケンケンが一人の女の子を気に入るなんて、珍しいじゃん。僕にも味見させて欲しいなぁ〜♪」
狼の耳としっぽが生えた青年と、悪戯そうな笑みを浮かべるピンクのパーマがかった髪の少年。ケントの仲間だろうか。
「狼の方がゴウシ。ピンクがユウタ。よろしくな。」
「ゆかりです。よろしくね。」
「わーい!よろしく〜!!」
「チッ。」
わたしに死をくれる彼との生活がはじまる。