第5章 確信犯【殿弥勒】
「僕、童貞なんです。可愛くて健気な彼女に痛い思いさせたくないので、筆おろし、お願いします。」
私は、いま酔っている。
それと、この男に絆されてしまっている。
だから、仕方ないんだ…と思うしかない。
「お…おう!任せとけ。」
こんな色気のない返事をしてしまったことは生涯の恥だ。
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2階の寝室のベッドのふちに座って、服を脱ぐ。
お互い下着姿になって、なんだか緊張する。あと照れる。
「ゆかり先輩、顔赤いですけど。照れてるの?」
弥勒の方を見ないようにしていたのに、いつの間にか隣に来て、手のひらを重ねられていた。
「なっ……んっ。」
唇を奪われて、ぬるりと舌が入ってきた。口の中を貪られているように激しくキスされる。
「んっ、ふ、はぁ、」
ブラのホックを外され、大きな手で胸が包まれた。乳首を挟んだり、転がしたりして、指が動いている。
「あっ。あぁ。」
このひと、本当に初めてなの?もっと、手取り足取り教える感じだと思ってたのに。
初めてなんだとしたら、これが本能ってやつなんだろうか。
「あぁん」
乳首を舌で舐られて、一際甘い声が出た。羞恥でかぁっと顔が火照る。
「ゆかり先輩…綺麗だと思ってたけど、こんなにかわいい…」
弥勒の声は艶があって、息遣いは荒くて、なんだか余裕がなさそうだ。いつも飄々としている彼とのギャップで、なんかキュンときた。
そこからは、お互い火がついたように求めあった。
長く前戯をして、汗かいて、刺激しあった。でも本番はやっぱり彼女に取っておいて欲しくて、弥勒に声をかけた。
「……弥勒。あとは彼女と続きしな。初めてだと思えないくらい、上手に出来てたよ。これなら大丈夫。」
私を組み敷いている弥勒に笑いかけて言った。
弥勒は、その長い両腕で、私を抱きしめた。
「彼女が居るとか嘘です。ゆかり先輩が欲しくて、ズルしました。すいません。」
「え?はぁ??」
そう言い放ったと同時に、よく解された私の中を、弥勒自身で一気に貫いてきた。
「あぁぁっ!!」