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【短編集】夢路【B-project】

第5章 確信犯【殿弥勒】


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たらふく食べて、それなりに片付けして、順番に入浴していった。
入浴後にリビングでまた飲み直して、ソファやカーペットで雑魚寝する人達でいっぱいになった。

気づけば、キッチンで洗い物をしている私と、最後に入浴し終わったところの弥勒しか起きていない。

「みんな、寝ちゃいましたね。」

タオルを肩にかけて、風呂上がりにビールを飲む姿は、高身長のせいなのか、顔が小さいせいなのか。とても様になっている。

「うん。わたしもう少しかかるから、そこのクローゼットから膝掛け出して、みんなにかけてあげてくれる?」
「わかりました。」

弥勒と二人で話すのは初めてかなと思うくらい機会がなかったけど、自分が自然と言葉を紡げることに驚いた。

「そういえば、さっきお肉美味しかったよ。焼き方うまいよね。なにかコツがあるの?」
「いえ。強いて言うなら、肉をよく観察していました。焼き加減をミスらないように。」
「あはは。肉を焼く時まで真面目なんだね。てか、こんな大声で話してるのに、みんな爆睡しすぎ。」
「そうですね。相当飲んでましたし、朝まで起きないんじゃないですか。」

いつの間にか洗い物を終えて、冷蔵庫からビールを取り出して弥勒に渡した。
リビングではみんなが寝ているので、キッチンに置いてある折りたたみ椅子を出して弥勒に座らせた。

「てか、弥勒って彼女とかいるの?」

ふつーの会話で聞いた。

「いますよ。」

きりっとしたアメジストの瞳と目が合った。

「へえーそうなんだ。どんな子なの?」

ビールをあおりながら会話を続ける。

「まだよく分かりません。告白されて付き合ったばかりなので。」
「おモテになるんですね〜。」
「やめてくださいよ。でも僕。悩みがあって。」

弥勒が視線を下げる。あんなに体格のよい弥勒がなんだか小さく見えた。

「え?何何?そんな真面目に。先輩一肌脱いじゃうよ。」
「本当ですか?」

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