第2章 お兄ちゃんと一緒【寺光遙日】【寺光唯月】
「ゆかり!起きて起きて!おっはよう!」
「ん…もう朝?」
「……」
朝から元気なはる兄ちゃんに起こされ、目を擦る。
昨日は久しぶりに3人川の字で寝たんだった。
朝に弱いゆづにいちゃんはまだ夢の中みたい。
「俺が一番乗り♪Happy birthday〜ゆかり♪I LOVE YOU…」
寝たままギュッと抱き締められた。
「はるにいちゃん、ありがとう。」
はるにいちゃんの背中に手を回す。
「はぁ〜、幸せ。俺ずっとこーしてたい。」
はるにいちゃんがわたしの顔に頬擦りしながらおしりを揉んでいる。朝からこの人は。
「はる、交代。」
寝ていたはずのゆづにいちゃんの声が聞こえて、はるにいちゃんから剥がされた。ゆづにいちゃんの胸の中に抱き寄せられる。長い脚を絡められて捕まったって感じ。
「お誕生日おめでとう…ゆかり…愛してる。」
「ゆづにいちゃん。ありがとう。」
背中に手を回すと、髪にキスされた。
2人のカッコイイ大好きなお兄ちゃんに挟まれて、私の方が幸せ。
「はるにいちゃん、ゆづにいちゃん。愛してる。いつもありがとう」
2人の唇にキスをした。
「もーこのまま始めたい。」
「はる。ダメだよ。」
「?」
始める?なんだろう。お祝いかな。わたしも、写真とか撮るしお化粧してからがいい。
「準備してLETSGO!」
「今日はたくさん楽しいことしようね。」
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ゆづにいちゃんの車でやってきたのは、海辺のオシャレなお店。
ここで朝ごはんを食べるそうだ。
「わーい。アメリカンサンドイッチ!焼きたて。」
「ゆかりが喜んでくれてよかった!」
新鮮な野菜と海の幸が入ったサンドイッチに喉が鳴る。
「ゆかり、サーモン大好きだもんね。」
「うん、大好き。美味しい。」
テラス席で頬張る。潮の香りとウミネコの声が非日常感を演出してリラックスできる。暖かいコーヒーとひざ掛けも嬉しい気遣いだった。
「はぁ、美味しかった。」
「お買い物行こう〜!」
「ゆかり、欲しいもの考えといてね。」
ゆづにいちゃんの車に乗って、近くの巨大ショッピングモールへと向かった。