第1章 運命の番
Nside
新学期。
新学年。
ああ、嫌な言葉。
せっかく作ってたグループを壊して新しく生まれ変わらせる。
嫌いだ。
「にーのちゃん!おはよー」
「おはよーございます」
3年の証である緑色のネクタイを着用した相葉さんが現れた。
俺も赤色ネクタイを閉めて、道を歩く。
一つ上の幼なじみ。
バスケが上手くて、フレンドリーで優しくて。
だけど、本当は人見知り。
βでまだ恋人は居ないんだって。
俺はΩ。
だけど、一度も性行為をしたことは無い。
俺が危ない目に合いそうになると全部この人が守ってくれたから。
俺のヒートが起こって訳わかんなくなってても、この人が薬を飲ませてくれる。
βであってもΩのフェロモンを喰らうのに。
相葉さんは特に鼻が良くてキツイはずなのにね。
ああ、考えている内に嫌いな校舎が見えてきた。
はーっと息を吐いて校門をくぐった。
「んっ!ニノちゃん、もしかしてヒートきてる?」
「はっ?そんなわけない。きてるなら休んでますよ」
相葉さんが何故かそう言って、クンクンと辺りの匂いを嗅いだ。
「なんか、甘い匂いがするんだよねー。襲われてるのかも。。。」
「へっ?大変じゃん!早く連れていって」