第1章 運命の番
Nside
相葉さんの鼻を頼りにグラウンドに行った。
俺はΩの匂いが全然しないから分からないけど、段々相葉さんの顔が赤くなっていく。
「大丈夫?俺が探そうか?」
「やっ!もしかしたらカズが危ない目に合うかもしれないから。大丈夫」
グラウンドでって、部室は全部施錠してあったし、特に匂いの強い部屋も無かった。
相葉さんの鼻も匂いが凄いらしくてこの辺って事しか分からない。
暫く影などを捜索していると相葉さんの声がした。
急いで向かうと四つん這いで俺らと反対方向に逃げる男の人が居た。
(生徒じゃない)
下着は色を変えていて、白い太腿には液体が垂れている。
その様子だけで発情の酷さが伺えた。
謝りながら逃げる様子を見ると、この人は何度も怖い目にあったんだろうな。
「大丈夫ですから。僕もオメガです」
そう声をかけながら背中を優しく抱きしめた。
「相葉さん、注射」
「あっ、うん」
相葉さんにカバンから抑制剤を取って貰う。
「抑制剤効くタイプですか?」
「んぁ、ん」
コクンと頷くその人は色気を放出していて、俺から見てもエロい。
抑制剤を受け取ってその人の太腿に打ち込んだ。