第1章 運命の番
Jside
「つっ、くっ。ふぁ」
校長室から出た俺は、急いで職員室に置いてあったバックを取って、外に出た。
個室、個室。
回らない頭を回転させて、個室を探す。
けど、部室棟も鍵が掛かっていて何処にも無い。
仕方なく体育倉庫の裏にしゃがむ。
「やばい、やばい。。ふぁ、」
鞄を漁っていつも抑制剤がある所を探すけど、何処にも無い。
「なんで」
あっ、今日、最後の使ったんじゃん。
くっそ、自力で落ち着けるしかないじゃん。
「なんで?ヒートもっと後。はっ、ふっ」
急に身体が熱くなって、後ろから垂れて下着が濡れる。
さっきから後ろを貫かれたくて堪らない。
くっそ、まずい。
これ、匂いキツイだろうな。
ヒートなら落ち着かないだろうし。
野外のトイレでもあれば、抜けるのに。
スーツが汚れる。
下着なら変えはあるから。
「っあつ。んっ」
スーツのズボンを脱いで放置する。
けど、擦れる肌が快感を感じ取って、またトプリと溢れたことが分かった。
ふと、ジャリッと近くのグラウンドを踏む音がして、息を潜める。
αだったらどうしよう。
ドクンドクンと音を立てる心臓が聞こえるんじゃないかって心配になる。
「あーばさん、匂いは?」
「えー。かなり強くてこの辺だってことしか分かんない。てか、こんな強いの初めてなんだけど、1年生かな?」
やっぱり匂い出てるんだ。
まずい、どうしよう。
「あっ、居た!」
右側に緑色のネクタイを付けた生徒が来た。
その後ろには赤色のネクタイ。
「あっ、やあっ、ごめんなさい」
嫌だ、犯される。
力の入らない身体を動かして四つん這いで逃げようとするけど、引っ張られる。
「んあっ!やっ、やだっ」
「大丈夫ですから。僕もオメガです」