第1章 運命の番
ᒍside
安全のためにもう1粒抑制剤を飲んでから、そこだけ光り輝いているような、櫻井先生のデスクに向かった。
凄いなイケメンってオーラが違う。
ツカツカツカと歩いていき、念の為少し離れてから声をかけた。
「櫻井先生、先程は失礼しました」
「ああ、松本先生。どうかしたんですか?」
「ちょっと。。。」
発情したとは言いづらくて濁すと、ハテナマークを浮かべながらもそうですか。と納得してくれた。
「えっと校長から聞いたと思いますけど、同じクラスを一年間一緒にみることになりました。よろしくお願いしますね、松本先生」
先生、松本先生。
「ん?どうかしました?」
「いや、先生って言われるのが嬉しくて」
「。。。ぷっ、あははは!」
「ちょっ、なんで笑うんですか?!」
先生と呼ばれることに無性にジーンとしていると、一瞬ポカンとした櫻井先生が一瞬で大きく口を開けて笑い始めた。
ヒーって涙を浮かべながらバカにしたように笑われて、櫻井先生に抗議する。
「あはっ、ふふ。ヒヒっ、あーごめんごめん。松本先生があんまりにも純粋で可愛くてさ」
「か、かわいいって」
「んふふ。俺、櫻井翔。御年26歳。同じくらいの年代の先生がいなくて退屈してたんだ。是非仲良くしようね。改めてよろしく松本センセッ」
「もーー、バカにしてるでしょ!」
「くは、してないしてない」
バカにするように言う櫻井先生は楽しそうに笑う。
とても綺麗に。
モテそうだな。
そんなことしか浮かばなかったが、ふと目が合いそうになって逸らしてから櫻井先生に自己紹介をした。
「松本潤、24歳です。初めてですがガンバリマス」
「ふふカタコト。かわいーね。じゃあちょっとだけ説明していくよ」
そこから櫻井先生に色々知識を教えてもらって、沢山メモを取った。
副担任と言っても子供からしたら両方担任みたいなものだから、気を付けてねとも言われて、そうだよなって納得した。
すべてを聞き終えて、出席簿を持つ先生が手を伸ばした。
「ん?」
「握手だよ、握手。頑張りましょうってことで」
「あっはい。よろしくお願いします」
そう言って手を握って目を合わせた途端、ブワッと体の熱が上がった。
体温が上がって、キュウと子宮の辺りが反応する。
やばい、これ。
ーーー発情だ。
慌てて手を放して、職員室を出た。