第1章 ファンド学園の学園祭
「見惚れてくれるのは有り難いが今俺は客だぞ?」
「あ! すみません! ではご主人様、席にご案内致します」
ラシルは指摘にハッとするとファラガを席に案内する。
「随分繁盛してるな」
「ありがとうございます。ご注文は何になさいますか?」
「甘くないのを頼む」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
ラシルはそう言って裏方に下がる。
(えーっと…メニューの中で甘くないのはガトーショコラと…飲み物はアレね♪)
内心で呟きながらファラガ用に品物を準備すると運ぶ。
「お待たせいたしました。ガトーショコラとエスプレッソです」
ファラガはガトーショコラを口に含むと呟く。
「なんだこの旨さ…街のケーキ屋よりウマイ」
「ありがとうございます♪ 今回の品物は大半が僕が作った物なんです」
「店の料理すべてをお前が?」
ファラガの問いに頷くラシル。
「こりゃ繁盛する訳だ」
すべてを完食するとファラガは片膝を着き、右手をラシルへ差し出しながら言う。
「今から貴女様の時間を私にくださいませんか?」
「えっ!?」
「「きゃーっ!!」」
ファラガの台詞に驚くラシルと2人の雰囲気に悲鳴を挙げる観客。
ラシルはチラッとザルクを見る。
ザルクは仕方がないと言った表情でGOサインを出す。
それを確認したラシルはファラガの右手に手を添えながら言う。
「私で良ければ…」
ファラガはラシルを拐う様に店を出た。
「マジで良いのが見れた…(泣)」
萌えるシチュエーションを見れたウェレアは泣き出す。