第8章 特異体質
《カイト隊長!? 何処に居られるのです!! 隊の皆様が騒いでましたよ!? 結界ですね! 構いませんよ》
《すまないな…終われば直ぐに戻る》
念話を終えると懐から特殊な魔方陣を組み込まれた護符を出す。
「ユスニル、この辺りの魔物を一掃してくれ」
カイトがそう呟くと隣に魔方陣が現れ、そこから堕天使が姿を現す。
ウェーブかがった赤紫の髪に金色の双眸を持つ顔が上の上いわゆるイケメンな堕天使 ユスニルはカイトを一瞥する。
「分かった。相変わらず動物好きだな」
ユスニルは武器を構えると翼を広げて奥に向かう。
カイトは比較的気付かれにくい場所に護符を設置していく。
「あらかた片付けたぜ。しかしかなり魔物の数が増えてて驚いた」
「またギルドへ魔物退治の依頼を頼まなければな。本当は俺が出たいが…」
「馬鹿野郎。王国近衛兵のお前が出たら王様を誰が守れんだよ。
今のギルドはかなりの強者(つわもの)揃いみたいだぜ。
仲間からの情報だけどな」
「それは不死鳥の騎士団か?」
「情報が来てたか」
「まぁな…最近トップに成った奴が難題な依頼をこなしてると
国王からもかなりの期待を持たれていてな…
この間、黒白の舞姫と言う二つ名を貰っていた」
「舞姫ってことは女?」
「いや…見た目が全く不明なんだ。性別もその姿を仮面と特殊なローブで隠してるんだよ。
あそこまで隠すと逆に素顔が気になるけどな」
「ふ〜ん…。ファンにでもなったか? お前」
「何故そうなる? (汗)」
「違うなら良いんだけどな…お前の探し人。まだ何も手掛かり無いんだろ?」