第8章 特異体質
「……あぁ…」
護符を設置終えると自動的に護符から光の膜が護符同士を繋げる様に展開した。
「あの子の事で唯一分かったのはとある研究所に売られた後、
その場所が謎の爆発で焼失してから何も研究所内の情報が見つからなかった」
「爆発に巻き込まれて死んだとは考えないのか?」
「そうなっていたらこのペンダントの光は消えている」
胸の辺りに手を当てるカイト。
「コレが唯一彼女がまだ生きていると教えてくれるんだ」
「なるほどな…」
ユスニルは頷くとふとカイトの周りに動物達が集まっていることに気付く。
「お前のそれって特異体質か? 普通オオカミとか鹿なんて天敵同士だから側に寄らないんだが…(汗)」
「これは俺にも分からないんだ。でも動物達が来てくれるのは嬉しいさ」
動物に体の大半を埋め尽くされながらその表情はにやけていた。
「俺の仲間が動物パラダイスなお前を羨ましがってたぞ」
「ハハハ…そうか。でも好かれ過ぎるのも難儀だぞ。
行くところをずっと付きまとわれる」
ユスニルは笑う。
これは彼がまだ王国近衛兵で居た時のお話。
後に彼は国王からファンド学園に入学させられるのだった。
END