第3章 学園祭の裏側話
そうこうしている内に中に通されると男女の先輩2人が待ち構えている。
「シンデレラさんいらっしゃい♪」
「僕たちが君に魔法をかけて、舞踏会へ行ける様にしてあげる♪」
そう言うと女子はドレス選び、男子は俺をシンデレラにメイクアップしていく。
(か 覚悟を決めないと…ラクィータが嫌がった気持ちがかなり分かる(泣))
内心で呟きながら渡されたドレスを着ると先輩方ははしゃぎ出す。
「凄い似合ってる♪」
「元が誰か分からない仕上がりだ♪」
近くにある姿見で自分の姿を見て唖然。
(誰コレー!? (汗))
内心で驚く俺に会長は呟く。
「……化けたな」
はしゃぐ先輩方に先を通されるとお城に見立てた物の前に王子様に成りきりの人が立っている。
身長が俺より低いその人は翡翠のミディアムヘアにミルクティー色の双眸を持つ、顔は上の中にあたる女性。
「来てくれたねシンデレラ。私と写真を撮りませんか?」
妙に様になってる相手に俺は答える。
「よ よろしくお願いいたします。(汗)」
撮影係員の指示で色んな仕草で撮られてく。
「先生かなりノリノリですね♪」
「当たり前よ。若い子らがやる一大イベントは見逃さないわ」
キリッと決めてるが言ってる言葉が台無しだ。
(若い子って……この人かなり歳上?)
内心で呟く。
撮影が終わり、衣装とメイクを落とすと先生と呼ばれた女性は俺を見て驚いている。
「男子生徒だったとは君のクラスメイトの腕は凄いわね」