【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第149章 ◇第百四十八話◇命懸けの幸せを守るために走れ【女型の巨人編】
「!!」
追いかけようとした父親を、母親が引き留めたことを私は知らない。
「どうして、お前…!」
「もし、あなたが今戦っていて、私も戦う術を持っていたら、
私はあなたを助けに走ると思うの。誰が、何と言おうとも。
あなたならどうする?」
「…っ。それは…っ、助けに行くに決まっているだろう…!
死んでも、お前を助けるさ…!!」
「あの娘の言う通りよ。あの娘も意思のある人間なのに、私達は娘可愛さに
あの子達の想いの深さが、私達と同じだって気づいていながら知らないフリをした。」
「だが、止めないとアイツは死ぬぞ!!親より先に死ぬなんて親不孝にはさせんと言ったじゃないか!!
それともお前は、アイツが愛のために死んでもいいと言うのか!?」
「よくありませんよ!!あの娘のいない世界が来るかと思ったら震えて息もできない…っ。
そして、もしあの娘が今、同じ思いをして大切な人達の元へ走っているのなら
私達はどうやって…、止められるというの…?」
「…っ。」
涙を流しながら震える母親を、父親が唇を噛んで苦しそうに抱きしめていたことだって、私は知らないでー。
真っ白のウェディングドレスが最も似合わない戦場へとただひたすら走っていた。