【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第150章 ◇第百四十九話◇戦場の天使は剣を振るう【女型の巨人編】
アルミンはテュランを連れてきてくれていた。
だが、私が乗ったのはピクシス指令が参謀に用意させた馬車だった。
一緒に行くと走ってついてきたヒストリアと一緒に馬車に乗っている。
ピクシス指令は、参謀に兵団服と立体起動装置、超硬質スチールも用意させていた。
馬車に乗ったのは、それらに着替えるためだ。
「…脱ぎ方がわかんないっ。」
参った。ウェディングドレスの脱ぎ方がわからない。
侍女の彼女達が何か真剣にギュッと、ギュっとしていた記憶はあるけれど、心ここにあらずでリヴァイ兵長を待っていたから、このドレスがどうなっているのかわからない。
「ねぇ、ヒストリア、脱ぎ方をー。」
「知らないです。」
ヒストリアはヒストリアで、現場に行くことはなんとか許してもらえても、女王の自分は戦うことはできないのでご機嫌斜めだ。
ダメだ。
最悪だ。
まさか、ここにも試練があるとは思わなかった。
脱げないと兵団服にも着替えられないし、そうしたら立体起動装置を装備できない。
となると、仲間を助けにも行けない。
「よし…!」
私は決意して、ウェディングドレスの裾を思いっきり破った。
ヒストリアが驚いて目を見開く中、とにかく邪魔そうなフワフワのレースや裾を破り捨てまくる。
そうすれば、あっという間に、ショートパンツが見えない程度の長さは残して、膝上まで短くなった。
これならとりあえず、立体起動装置のベルトを身体につけられる。
「…さすがですね。思い切りが…。」
「私も思うわ。」
焦る手を何とか落ち着けて、急げ、急げとベルトを身体に巻き付ける。
すぐに立体起動装置を装備して、馬車の降口に立った。