【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第146章 ◇第百四十五話◇あと少し待って【女型の巨人編】
エルヴィンの働きを経て、現体制への崩壊が宣言された。
それは王都・行政区を兵団組織が制圧した直後、彼のために用意されていた処刑台の上で行われた。
その後、議員一族及び関係者は爵位を剥奪され、各地方の収容所に送られた。
残された貴族階級には兵団に協力的な者と反する者の間で税率の格差をつけ、団結を阻害したー。
「-ってのに、どうしてユーリヒ家はいつまでも優雅なままなんだ。クソッ。」
王都・ミッドラスの制圧、そして、ヒストリアを真の王に迎えた儀式も先日終えたばかりだが、今後の王政や兵団の体制についての会議は終わることはなく、調査兵団の幹部や事件に関わった調査兵達はまだトロスト区へは帰っていなかった。
ジャンは、悪態を吐いて、馬小屋の壁を蹴った。
ユーリヒ家は、王族と遠い親戚にあたるという話だった。
だから、偽物の王族関係者として捕らえることが出来ると考えていたのだが、残念ながらそれは大間違いだった。
彼らは、レイス家と遠い親戚関係にあったのだ。
さすがの憲兵団も真の王の血族を無下にすることは出来ず、ユーリヒ家はむしろ、今までよりも良い待遇になっていると聞く。
「結婚式の招待状を送ってくるとか、ゲスいな。」
「あの悪魔ならやりそう。」
エレンとミカサが見ている結婚式の招待状は、金粉が飾られていて、これだけで売ってもお金になりそうなくらいに豪華だった。
「でも、間に合って良かったですよ。」
「そうだね。本当に今日でよかったよ。
僕達も漸く休みを貰えたところに結婚式だからね。」
サシャとアルミンがホッとしたように言う。
その横で、コニーはとてもハシャいでいた。
「リヴァイ兵長、アレするんすよねっ?
バーーンッて扉開けて、ちょっと待ったーっ!てやつっ。」
扉を勢いよく開く真似をして、コニーが興奮気味に言う。
先頭を歩いていたリヴァイが振り向くと、キラキラした瞳が彼を見ていた。
「さっきからずっと気になってたんだが。」
「何すか?」
訊ねるジャンに、リヴァイは眉を顰めながら続ける。
「お前ら、なぜついてくる。」
自分達も早く会いたいだとか、迎えに行ってやりたいだとか、バーン!が見たいだとか、ジャン達が好き勝手に騒ぎ出す。
ため息を吐いたリヴァイが、愛馬に乗った。
ルーカスとの結婚式場となる王都の城は目と鼻の先だ。