【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第146章 ◇第百四十五話◇あと少し待って【女型の巨人編】
ホッとすると同時に、ずっと心のどこかで思っていた気持ちが顔を出し始める。
でも、それは、自分達の手を汚してまで大切な人達を守ろうとした仲間のことを蔑ろにするような発言な気がして、口には出来なかった。
「お前達には悪いが、俺はがここにいなくて良かったと思ってる。」
今、自分が考えていたのとまったく同じセリフがリヴァイから出てきて驚いた。
リヴァイは、遠くに見えだしている巨人の姿を鋭い眼光でとらえながら続ける。
「どうせまた無茶して、後で死ぬほど苦しむんだ。
に人殺しは似合わねぇよ。
お前らには、仲間のために手を汚せと言っておきながら、悪いな。」
「いえ…、俺も同じことを思ってましたから。」
「そうか。」
ジャンは、リヴァイの隣に並ぶ。
白くなりだした空の下、とりあえず、最低最悪の今日はもうすぐ決着がつく。
必ず勝たなけばならない戦いだ。
ここで負ければ、人類が滅ぶ。
そして、人類が滅ぶ前に、のいる王都ミットラスに恐ろしい巨人が到達してしまうことになる。
「これが全部終わったら、さんを迎えに行くんですか?」
「愛想が尽きてなきゃいいがな。」
「大丈夫っすよ。そしたら、俺が貰います。」
「…ここから突き落としても、この状況じゃ、追い詰められて飛び降りたと思われるだろうな。
まぁ、もしくは不慮の事故か。どっちにしてほしい。」
隣から、冗談とは思えない殺気を感じてジャンはそっと逃げた。