【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第146章 ◇第百四十五話◇あと少し待って【女型の巨人編】
オルブド区外壁、早朝。
今からそれほど時間を待たずして、超大型巨人よりも巨大な巨人がここへ到達して人類を襲うことになる。
それを食い止めるのが、ジャン達の使命だった。
漸く調査兵団への容疑が晴れたというのに、地獄のような一日はなかなか終わりを迎えさせてはくれないようだった。
「リヴァイ兵長、こうなること分かっててさんを行かせたんですか。」
外壁のギリギリのところに立って、巨人化したロッド・レイスを待っていたリヴァイが振り返った。
の両親、果てにはルーカスまでやってきて、彼女を連れ戻そうとしたとき、リヴァイならなんとかして奪われないようにしてくれるんじゃないかと期待があった。
もそれを望んでいたし、何より、リヴァイがどれほど彼女のことを大切にしているのかをあのとき、目の当たりにしたからだ。
でも実際は、リヴァイはの手を放した。
信じられなかった。
でもー。
「こんなに最悪な状況になるのは想定外だった。」
「まぁ、そうっすよね。」
いつもの無表情で答えるリヴァイに、ジャンは思わず苦笑が漏れる。
でも、やっぱり、リヴァイはを諦めたわけでも、彼女の幸せがどうのとか面倒くさいことを考えて手放したわけでもなかった。