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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第137章 ◇第百三十六話◇逃げていく背中【女型の巨人編】


脚の筋肉を削ごうとした私の超硬質スチールの刃が、硬質化した皮膚にあたって割れた。
すぐに替刃をとりつけようとしたものの、女型の巨人捕獲作戦の後、補充しておかなかったせいで、もう替刃がなかった。
マズいと思ったときには、立体起動装置のガスも切れ、私は地面に落ちる。
悪いことは重なるようで、とうとう戦う矛も盾も失った私とは反対に、女型の巨人の腕の筋肉もアキレス腱も回復したようだった。
女型の巨人が立ち上がる。
そして、地面に座り込む私を見下ろした。
目が合った。
それは、女型の巨人とか。それとも、うなじの中にいる人間か。
殺される
でも、すぐに彼女は、私に背を向けた。
私を殺そうとはせず、エレンが逃げた方向へと走っていく。
戦えない私は殺す必要もないとでも思ったのか。
あれだけ、大勢の調査兵を殺しておいて、なぜ私だけー。

「どうして…っ。」

女型の巨人は終始、私に牙を向けなかった。
ここで、私が殺されていれば、私は信じることが出来ただろうか。
赤いブレスレットを揺らす手首がチラリと見えたと思った瞬間、小柄な調査兵の後ろ姿は消えて、光と共に女型の巨人が現れた。
それでもー。
女型の巨人は、アニじゃない。
違う、違うー。
信じていた。
でも、私は気づいていた。
女型の巨人は絶対に、私を殺そうとしないと自信があった。
だってー。

≪行かないでほしい。≫

アニから届いた手紙、短いメッセージは、一体何を思って綴られたものだったのだろう。
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