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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第137章 ◇第百三十六話◇逃げていく背中【女型の巨人編】


視力の回復した女型の巨人は、立ち上がるとすぐにエレンを追いかけだした。
私から、逃げたー。
腕の筋肉を削いだからか、口の筋肉を削いだからか、自分は攻撃が出来ないから逃げるしかないと思ったのか。
立体起動装置からワイヤーを飛ばし、猛スピードで彼女を追いかける。
少し離れたところに逃げていくエレンの姿がずっと見えている。
このままでは、エレンを奪われてしまう。

「待ちなさいって言ってるでしょう!?」

とにかく、こっちを向かせたかった私は、女型の巨人の足首まで急降下した。
アキレス腱を切ってしまえば、さすがに走れないだろう。
回転しながら、左の足首から太ももまで一気に飛び上がる。
それでもなんとか進み続けようとする女型の巨人だったが、右足も同じようにしてやれば、前のめりに倒れて漸く動きが止まった。

「やった!!、すげぇぞ!!これならいける!!」
「いいから逃げなさいっ!!」
「は…、はい!!」

エレンが逃げたのを確認してから、ワイヤーを飛ばす。
女型の巨人の頭の上に乗って、これからどうしようかと考える。
口の筋肉は回復したようだったが、両腕の筋肉はまだ十分に回復していないようで、ぶら下がっているだけの腕では立ち上がれないようだった。
それでも、脚を使ってもがいているものの、アキレス腱をやられていてうまくいかない。

「私は、何としてでもあなたをここから先に行かすわけにはいかないの。
 分かるでしょう?大切な友人が、仲間が、命を賭して守ったエレンをあなたに奪われでもしたら、
 彼らの死を無駄死にしてしまうことになる。理解してくれるよね?」

ガスを吹かして飛び上がる。
まずは、脚だ。脚を削いでしまおう。
そうすれば、エレンを追いかけることは出来ない。
逃がしはしない、絶対にー。
そして、ちゃんと確かめなければ。
そのうなじの中にいるのは、人類の敵だということを確かめなければ。
殺したいくらいに憎い最低最悪の殺人鬼だと、この目で確かめなければー。
それなのにー。
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