【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第128章 ◇第百二十七話◇悪夢に私を沈める貴方【女型の巨人】
気づいたら、私はベッドの上にいた。
自分のベッドの上で、シングルベッドの上で、隣に誰もいないことを嘆いて泣いていた。
『大丈夫だ。俺がずっと、そばにいてやるから。』
リヴァイ兵長の優しい腕が私を抱きしめて、愛おしそうに頭を撫でてくれたのは、遠い昔の出来事じゃない。
私の妄想でもない。
確かに、リヴァイ兵長はそう言ってくれた。
怖い夢を見たら、自分に抱き着けばいいと言ってくれたじゃないか。
そばにいてくれるって、抱きしめてあげるってー。
夢の中で、ルルが死んだ。
グンタが、エルドが、ペトラとオルオが、死んだ。
リヴァイ兵長の瞳も死んだ。
そして、悪夢から目覚めた私は、これから、リヴァイ兵長の愛が死に行くのを見ることになるのかもしれない。
どの悪夢が一番ツラいのだろう。
あぁ、でも、すべてが悪夢ならいいのに。
眠れないで苦しむ悪夢くらいなら、私は堪えられる。
リヴァイ兵長がいるのなら、堪えられるのにー。
「どうして…。」
壊れた機械みたいに、私の唇はそればかり繰り返していた。
あの夜、私が安心して眠れたのは、リヴァイ兵長が抱きしめてくれたから。だからなのにー。