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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第128章 ◇第百二十七話◇悪夢に私を沈める貴方【女型の巨人】


兵門の周りに見回りの調査兵が数名いるだけで、真夜中の兵舎はとても静かだった。
馬車の降口には、見回りの調査兵すらいなかった。
適当に羽織ってきただけのカーディガンだけでは、寒い。
ベンチに腰をおろした私は、袖口を伸ばし、両手に息を吹きかけた。
一瞬、暖かくなったような気もしたけれど、すぐに夜風の冷たさに凍えだす。
夜空を見上げると、分厚い雲に覆われ、月も星も見えなかった。
明日は雨だろうか。
だから、こんなに寒いのかもしれない。
早く、リヴァイ兵長に会いたい。
力強くて優しい腕に抱きしめられて、温まりたい。
安心、したいー。
夜には帰ってくると言っていたのに、何か、問題でも起きたのだろうか。
しばらく、凍えた両手を温めながら、待っていると声をかけられた。

「あれ?か?こんな夜中に何やってるんだ?」

顔を上げると、ダイが訝しげな顔をしながら私の前に立った。

「リヴァイ兵長を待ってるの。」
「リヴァイ兵長?」
「昼間、出張に行ったの。でも、今夜には帰るって言ってたから。」
「リヴァイ兵長は今日泊りがけだぞ。」
「え?」
「ゲルガーさん達が少し前に帰って来て、見回りしてたから会ったんだ。
 それで、リヴァイ兵長だけ、泊ってくることになったって。聞いてなかったのか?」
「うん…。リヴァイ兵長に何かあったの?」
「いや、帰りが遅くなったから泊ってくるだけだって言ってた。
 明日も特に急ぎの仕事もないし、泊ることにしたってさ。
 だから、心配することねぇよ。」
「そ、っか。なら、よかった。」
「おう。」

私はうまく笑えていただろうか。
でも、私の心は、ショックを隠し切れなかった。
あぁ、避けられてるんだー。
そう思って。
最近ずっと気まずかったし、今日はオルオとペトラから結婚の話を聞いてしまったから、夜に顔を合わせたらその話題になると思ったのだろうか。
それでもきっと、リヴァイ兵長は帰ってくると信じてた。
どんなに遅くなっても、絶対に。
だって、いつも、そうだったから。
リヴァイ兵長は、どんなに遅くなっても帰ってきた。
出来るだけ、泊りの出張にならないようにしてくれたのにー。
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