【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第122章 ◇第百二十一話◇迷子の天使【女型の巨人編】
「ォギャ…っ、オギャァァアッ。」
また赤ちゃんが泣きだした。
抱き直してみたりして必死にあやすが、泣き止まない。
最終的に、ペトラだけではなく104期のみんなも一緒になって、必死にあやす。
あのライナーですら、ベロベロバ~、なんて可愛らしいことをしてくれたが無理だった。
むしろ怖かったのか、大泣きしてしまって収拾がつかなくなる。
「お腹が空いてるんじゃないですかね?
ほら、さっきからずっと指を舐めてるんですよ。」
サシャが赤ちゃんを見ながら言う。
そう言われてみれば、そうだ。
いつから兵門の前にいたのかは分からないけれど、少なくとも私達が見つけてからは一度も母乳もミルクも飲んでいない。
赤ちゃんがどれくらいの頻度で食事をとるのかは知らないけれど、そろそろお腹が空きだしてもおかしくないのかもしれない。
「確か、母親が置いて行った荷物の中に…。
あったっ!ミルク作ってくるから待っててっ!」
「ありがとう~っ。」
哺乳瓶とミルクの粉を見つけたペトラが、談話室の給湯室に走る。
もう少し待ってねー、必死に泣き止まそうと抱っこする腕を優しく揺らしてあやしてみるが、お腹が空いた赤ちゃんが泣き止むことはない。
「なぁ、なんで、ミルク作るんだ?
の母乳、やればいいんじゃねぇの?」
なんとか泣き止まそうとしてる私に、コニーがアドバイスをくれる。
だがー。
「出ないよっ。」
「気合で吸ったら出るかも?」
コニーは本当にバカなのかもしれない、と思った。
とりあえず無視して、赤ちゃんを泣き止まそうとあやす私の代わりに、ユミルが、母乳というのは赤ちゃんを産んだ母親のホルモンによって出るものであって、気合で出るとか出ないとか、そんな簡単なものではないのだと教えてあげていた。
なんだかんだと、そういうところは、ユミルは仲間に優しいと思う。
とても馬鹿にしたように、だったけれどー。
「へぇ~、そうなのか。
でもよ、とりあえず、泣き止ませたいなら、おっぱい吸わせときゃ安心するんじゃねぇの?
弟がチビのときは、俺の母親はそうしてたぜ?それが早いっつって。」
一応、コニーも自分の経験談から本気でアドバイスをくれていたのだと分かった。