【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第122章 ◇第百二十一話◇迷子の天使【女型の巨人編】
「おーっ!談話室に赤ん坊がいるぞっ!!」
談話室に入ってくるなり走ってやってきたのは、コニーだった。
その後ろから、騒がしい声を聞きつけて、104期の新兵達もやってくる。
夕飯を食べ終えたところのようで、サシャの機嫌もすこぶるいい。
「本当ですねっ!さん、いつの間に赤ちゃんを産んだんですか!?
人類最強の兵士の二世ですか!?」
サシャが興奮気味に赤ちゃんの顔を覗き込む。
それに驚いて、泣き出してしまった赤ちゃんだったが、慌てたサシャが変な顔をして必死にあやせば、すぐに笑顔に戻ってくれた。
「とっても可愛いけど、リヴァイ兵長には似てませんね。 」
「に似たんじゃねぇの?」
「リヴァイ兵長に似た赤ちゃんって、怖ぇな。」
「私は、すごくチビなところが似てると思った。」
「おい、ミカサ。それ、リヴァイ兵長に聞かれないようにしてくれよ。
お願いだから。」
「いつ産まれたんですか?お誕生日プレゼントしなくちゃ。」
クリスタが可愛らしく首を傾げる。
彼女達は、本気でそんなことを言っているのだろうか。
代わりにツッコんでくれたのは、ユミルだった。
「毎晩ヤり過ぎてあっという間に出来ちまってても、まだ産まれねぇよ。
赤ん坊は、10か月母親の腹ん中で育つんだぜ。
それに、今産んだにしちゃデカすぎる。」
「あ、そっか。」
気づくのが遅すぎるクリスタ達に、あっという間に出来ていないことも一応伝えつつ、兵門の前に置かれていた赤ちゃんであることを説明する。
反応はそれぞれで、でもやっぱり、子供の父親の調査兵に対して何かしらの文句は出てきた。
どんな状況で、この子の母親と別れたのかは分からないけれど、赤ちゃんが産まれたことは知っているのだろうか。
もし、知らないのなら、とても驚くだろうなー。