【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第122章 ◇第百二十一話◇迷子の天使【女型の巨人編】
談話室のソファで赤ちゃんを抱く私は、ペトラと一緒に必死にあやしていた。
抱き心地にも慣れてきてくれたのか、漸く笑顔が出てきてホッとしているところだ。
なぜか調査兵団の兵門の前に置かれた木箱の中で寝かされていた赤ちゃんは、男の子だった。
名前は、ヨシュカ。
一応診てくれた医療兵によると、ハイハイも出来るようだし、生後7、8か月くらいではないかということだった。
「でも、ヒドイことする男がいるもんだよね~。」
ペトラが赤ちゃんをあやしながらも、顰めた眉に嫌悪感を醸し出す。
でも、本当にそう思う。
この子が調査兵団の兵門に置かれることになってしまった経緯は、洋服に縫い付けてあったメモにしっかりと書かれてあった。
『あなたの子です。1人で産みました。
1人で育てようと思いましたが、疲れました。
必ず迎えに行くので、1週間だけ、休みをください。
それくらいの父親らしいことは、この子のためにしてください。』
そう書かれたメモには、母親の名前と子供の名前も書かれていた。
子供の名前には聞き覚えはなくても、母親の名前を聞けば、父親が誰か分かるだろう。
今、エルヴィン団長とリヴァイ兵長は、調査兵団の男性陣を集めて、父親探しをしている。
その間、この子を見ておくのが私の今の任務だ。