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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第122章 ◇第百二十一話◇迷子の天使【女型の巨人編】


ストヘス区から戻った馬車が、兵門の前で止まる。
エルヴィン団長に続いて、先に降りたリヴァイ兵長の手をとって、私も馬車から降りた。
昨日の夜は、結局お酒は1杯だけだと約束をさせて、リヴァイ兵長もそれなりに早く眠れたはずだ。
朝は会議のために憲兵団施設に行ったリヴァイ兵長は、お昼頃には終わって、エルヴィン団長と一緒に家まで迎えに来てくれた。
それから一緒にトロスト区へ向かう馬車に乗って帰ってきた。
昨日はゆっくり眠ったし、移動で疲れたというのはあるかもしれないけれど、幻覚を見るほど疲れてもいないと思う。
それなら、これはー。

「…赤ちゃんがいますか?」

兵門の前に、果物を運ぶときに使うような木箱が置いてあった。
その中に、もしかして、赤ちゃんが眠っているのか。
見間違いか。
エルヴィン団長とリヴァイ兵長も、木箱の中をじーっと覗き込んでいる。
彼らには、何に見えているのだろう。
なぜ、何も言わないのだろうー。

「あ、起きた。」

赤ちゃんが目を開けると、エルヴィン団長とリヴァイ兵長が、ビクッとして一歩後ろにさがった。
全く同じ動きなのは、長年一緒に戦ってきた故だろうか。
とりあえず、彼らにも私と同じものが見えていそうだ。

「ォギャ…っ。」
「おぎゃ?」
「オギャァァアアアッ!!」

耳をつんざくような赤ちゃんの泣き声が響いた。
後から聞いたところによると、慌てて赤ちゃんを抱き上げてあやす私の横で、エルヴィン団長とリヴァイ兵長は、理解が追い付かずにボーッとしていたらしい。
頼りにならないー!

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