【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第120章 ◇第百十九話◇心配してくれる人達を怒らせた【女型の巨人編】
ホッとして礼を言うと、今度は怒った顔が私の方を向いた。
「会議室前のホールで待ってろと言ったはずだが。」
「ごめんなさい…。すごく暇でウロウロしてたら、可愛い妹見つけて、散歩してたんです。
ちゃんと憲兵団施設からは出ないと約束します。」
「チッ、仕方ねぇな。絶対に、施設からは出るな。分かったな。」
「はい!それで、リヴァイ兵長は会議は終わったんですか?」
「いや、長引きそうだから先に昼飯食っとけと伝えようとしたら
お前がいねぇから、探してたところだ。」
「すみません…。」
「まぁ、施設から出てねぇならいい。
その妹ってやつと昼飯でも食って待っとけ。」
「分かりました。会議、頑張ってくださいね。」
「あぁ、お前もおとなしく待っとけよ。
あと、憲兵のクソ野郎に言い寄られんじゃねぇぞ。」
リヴァイ兵長は、私の髪をクシャリと撫でる。
アニの見ている前で、子供のように甘やかされるそれが照れ臭くて、無意識に頬が染まった。
まだ会議の途中だというリヴァイ兵長がすぐに、元来た道を引き返していく。
その後姿をジーッと眺めていたアニが、不意に口を開いた。
「なぁ、もしかして、さっきアンタが言ってた、騎士様って、
リヴァイ兵士長のこと?」
「そうなの。ずーっと片想いだったんだけど、やっと恋が叶ったから
アニにも教えてあげたくってー。」
「へぇ。じゃあ、アンタはもう絶対に、調査兵団からも
壁外からも逃げられないんだね。」
「え?」
アニは、まるで敵の背中を追いかけるみたいに、ただじーっと会議室へ戻っていくリヴァイ兵長の背中を睨みつけている。
知らないアニがそこにいるような気がして、声が出なかった。