【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第120章 ◇第百十九話◇心配してくれる人達を怒らせた【女型の巨人編】
それでも、なんとか、どうかしたのかと聞こうとした私を、漸くリヴァイ兵長の背中から視線を外したアニが見た。
さっきまでの冷たい瞳はもうなくて、ただ、とてもショックを受けているように見えた。
「アンタが前にここに来た時からさ、あの男のことが好きなの気づいてたよ。」
「えッ!?」
「あの男がアンタに声かけたとき、顔見てすぐわかった。」
「うそ…、恥ずかしい…。」
バレていたなんて。
両手で頬を覆って、染まる頬を隠す。
でも、アニがそんな私を見ることも、からかうこともなかった。
ただ、両手で拳を握り、目を伏せたアニは、地面に投げ捨てるように言葉を吐き出す。
「だから嫌だったんだ…。あぁ、ホント。最悪だ。」
怒りか、悲しみか、震えた声が何を言ったのかは分からなかった。
でも、いつもとは違うアニが、とても苦しんでいるように思えて、どうかしたのかと訊ねたけれど、答えてはくれなかった。
ただ、私とリヴァイ兵長が恋人だということが、アニにとって良くないことだということだけ。
それだけは、分かった。