【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第15章 ◇第十四話◇入団テスト【調査兵団入団編】
覚悟を決めてアンカーを巨人のうなじに向けて飛ばした。
リヴァイ兵長はどうやって巨人を倒していたか。それを自分がやっている姿をイメージする。
勢いよく、深く切り込む。刃が浅いとまたすぐに傷が塞がってしまう。
飛び上がったのは巨人の頭上。巨人は私の存在に気づいてすらいない。チャンスだ。
このまま急降下してうなじを一気に・・・削ぐ!
「ぐぅ…っ!」
巨人はくぐもった声を出したあと、そのまま前のめりに倒れていった。
これで4体目。あと1体で入団テストに合格できる。
私はアンカーを飛ばして、近くの建物の上に飛び乗った。
リヴァイ兵長の行った方を見ると、既に2体の巨人の討伐は終わっているようで、すぐに私のもとへやってきた。
「よくやった。あと1体やったら、すぐ帰還する。」
「はい!」
巨人のいない壁の中に帰還できることよりも、リヴァイ兵長に褒められたことが嬉しかった。
入団テストの合格を確信できたからか、そんなことしそうにない上官に褒められたからなのか。
きっとそのどちらもだろう。
素直に返事をした私に、意外だという顔をしたリヴァイ兵長は、次の獲物のもとへとさっさと向かってしまった。
次の獲物はすぐに現れた。
7m級の巨人だ。自らやられにこちらに向かって歩いてきてくれている。
「おれは補佐もしねぇ。1人でやってみろ。」
「…はいっ!」
私はまず、アンカーを近くの建物に伸ばして巨人に近づいた。
こちらに気づいている巨人は、さっきのように気づいていない巨人より当然危険だ。
後ろからこっそりうなじを削ぐことは出来ないし、一歩間違えばあの大きな手に捕まってしまう。
巨人の目が私1人を捉えたことを合図に、私は巨人のうなじにアンカーを飛ばした。
飛び上がる私を大きな腕が追いかけてくる。
それを立体起動装置をうまく利用して避ける。
そして、巨人の腕が下に降りたのを確認して、一気にワイヤーを巻き取りうなじへと超硬質スチールを振り下ろした。
うまくいった。倒した。