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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第115章 ◇第百十四話◇水を得たいのに海を知らない魚【女型の巨人編】


私は今、大量の書類を前にして絶望的な気持ちになっている。
巨人の大群を前にした時の気持ちに似ている気がするー。
と思うのはきっと、ここが今、平和な兵舎の中だからだと思う。
でも、ハンジさんの巨人談議を聞きながら、大量の書類を捌くという仕事は、地獄に似てるとも思う。

「…眠い。」

眠たい目をこすって時計を見ると、もうすぐ0時になろうとしていた。
書類仕事に嫌気が差したハンジさんが、急遽、今日中に書類を終わらせてしまおうと思いついてしまったがために、今日のハンジ班の任務は、今日中に書類をすべて捌ききらない限り、終わらないー。
本当に今日中に終わるのだろうかー、そう思ってモブリットさんを見てみたら、絶望的な顔で書類と睨めっこしていた。
ダメだ、きっとー。
数時間前、残業を悟ったハンジさんに、私服に着替えて寝る前の準備はさせてもらっているハンジ班のみんなは、たぶん、このままこの部屋で朝を迎えるのだと思う。

「そういえば、昼間、リヴァイがのことを探してたけど、
 会えたかい?」

ハンジさんから声をかけられた。
眠たい目をこすりながら、顔を上げる。

「リヴァイ兵長が?今日は、朝会ったっきりです。
 何の用だったんでしょう?急ぎな感じでした?」
「いや、部屋で仕事してるって言ったら、後ででいいって言ってたよ。」
「そうですか、それなら明日、聞いてみます。」
「そうだね、もう寝てるだろうしね。」

もう寝てるのか、いいなー。
そんなことを思いながら、私はまたペンを握り直す。
もう眠たくて眠たくて、何を書いても文字が揺れてる、踊ってる。
リヴァイ兵長の診察結果も気になるし、早く聞きたかったのにー。

「そういえば、ハンジさん。
 リヴァイ兵長、今日の診察結果について何か言ってました?」
「あぁ、それならー。…ヒャァアッ!!」

途中まで言いかけて、ハンジさんがおかしな悲鳴のようなものを上げた。
その声に驚いて、眠りかけていた他のハンジ班のメンバーも顔を上げた。
そんな中、青い顔をしたハンジさんがゆっくり口を開く。

「今日は絶対にに残業させるなって…、
 リヴァイに言われてたんだった…。」

あぁ、完治だったんだなー。
そう思って5分後、ハンジさんの執務室兼自室の扉が鬼と化したリヴァイ兵長に蹴破られた。
0時までは我慢して待っていてくれたらしい。
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