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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第111章 ◇第百十話◇ただひたすら、信じた【恋の行方編】


頬に触れた。
ひんやりと冷たくて、ここでずっと凍えていたのだと思うと、胸が張り裂けそうだった。
もっと早く、助けに来てやりたかった。
いや、こんな思いさせたくなんかなかったのにー。

「信じて、ました…?」
「あぁ。信じてた…!」

躊躇わずに出たそれが、嘘か本当か、自分でも分からなかった。
ただ分かるのは、愛しているということ。
彼女の唇が動き、作ってくれた言葉ならば、自分にとってそれはすべて真実になってしまうくらい、愛してるということだけー。

「私も、信じてましたよ。
 絶対に、リヴァイ兵長は、助けに来てくれるって。」
「当たり前だ…!心配、かけやがって…!」
「ふふ…、あったかい。」

叱ったのに、は嬉しそうに胸に頬を寄せる。
もう一度、強く抱きしめれば、の手がゆっくりと背中にまわったのが分かった。
本当に、どうしようもない。

(俺は、本当に…、どうしようもねぇな…。)

強く抱きしめる。
強く、強くー。
が生きていることを、確かめたくて。
もっと強く、感じたくてー。
弱った身体で、まるで『もう大丈夫。』と伝えるみたいに必死に抱きついてくるの強さに、敵う気がしない。
本当に、どうしようもない。
早く安心させたかったはずなのに、早く安心したかっただけなのだと思い知らされるばかりだ。
あぁ、もう、本当に、どうしようもないー。
どうしようもないくらいー。
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