【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第111章 ◇第百十話◇ただひたすら、信じた【恋の行方編】
月明かりに照らされ、壊れた教会の中央で眠るに駆け寄った。
眠っているだけだ、死んでいないー。
どうか、生きていてー。
神に願うなんてしないはずなのに、祈るように抱き上げれば、が眉を顰めた。
あぁ、生きているー。
雨に濡れて冷えた身体を温めてやりたいなんて思っていたことも忘れて、リヴァイは力の限りにを抱きしめた。
温かいー。
それだけで、こんなに嬉しいなんてー。
「リヴァ、イ、兵ちょう…?」
耳元で弱弱しい声を聞いて、そっと身体を離す。
目にかかる前髪を指ですくってやれば、綺麗な瞳と視線が重なる。
その途端に、こんな壁外の廃墟の中で、世界一安心したような笑みを浮かべるから、どうしようもないくらいに愛おしさが溢れる。
「ほら…、私、生きてる、でしょ?約束、守ったでしょう…?」
「あぁ…っ、よくやったっ、褒めてやる…!」
弱弱しい声で、何を自慢気に言っているのだ。
つらかったくせに、怖かったくせに、たまらなく心細かったくせにー。