【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第104章 ◇第百三話◇夜の逢瀬のオマケ【恋の行方編】
私とペトラは、静かだったはずの廊下を騒がしく走り去っていく、それぞれの愛おしい人の背中を視線で追いながら、口を開く。
「リヴァイ兵長、なんで怒ってるの?」
「たぶん、オルオが羨ましいんだと思う。」
「…あ、あぁ…。骨がまだくっついてないからね。」
「これでまた、延期になりそうだよ。」
「男ってのはバカな生き物って言葉、リヴァイ兵長も含まれてたんだね。」
「悲しいね。」
「うん、悲しいね。」
バカかもしれないけれど、身体能力の高い男達の姿は、あっという間に見えなくなって、遠くにオルオの悲鳴だけが響いていた。
彼が、鬼と化したリヴァイ兵長に捕まるのも時間の問題だろう。
「オルオ、骨、折られちゃうかな。」
「その前にリヴァイ兵長のあばら骨がまた折れるんじゃないかな。」
「…バカだね。」
「うん…、バカだね。」
私とペトラのため息が重なった。
そして、顔を合わせて、笑い合う。
男たちが消えた朝の廊下を、女たちの可愛らしい笑い声が優しく包んだ。