【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第102章 ◇第百一話◇花占い【恋の行方編】
何をしでかしたのか、必死に頭を回転させる。
そして、ひとつ、思い浮かんだのは、ウォール・ローゼのお土産として買ってきたティーカップだった。
木箱に綺麗に仕舞ってあったあのティーカップをこっそり取り出して、紅茶を淹れて出したときのリヴァイ兵長のとてつもなくショックを受けていた顔を思い出す。
『…傷はついてねぇだろうな。』
バカみたいにー。
あ、いや、とても真剣に念入りに、ティーカップを凝視している姿はもう、笑えるほどー。
あ、いやいや、心苦しいほどに痛々しくて、申し訳なくなってしまった。
でも、それでも、リヴァイ兵長はー。
『いつもより美味ぇな。
このティーカップに何か仕掛けでもあんのか。』
やっぱり、バカみたいにー。
あ、いや、とても真剣に念入りに、ティーカップを凝視している姿はもう、笑えてー。
いやいや、とても優しくて、可愛らしくて、私のことを想ってくれているのだと感じたはずだったのだけれど。
やっぱり、怒っていたのだろうか。
勝手なことをした私のことを、嫌いになってしまうくらいにー。
「あの、さ…。」
「なに?」
戸惑いがちに口を開いたペトラに、首を傾げる。
「それ、本気で言ってるの?」
「それって?」
「嫌われたって叫んだから。」
「冗談でそんなこと言いたくないよっ。」
顔色を真っ青にして首を横に振る私に、ペトラが呆れた様に息を吐く。
一人で一喜一憂して、親友に呆れられるなんて、まるで初恋をしている10代の女子みたいだ。
情けないー。