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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第102章 ◇第百一話◇花占い【恋の行方編】


「私もリヴァイ班に入りたい。」

大きくため息を吐く。
骨が完全にくっつくまで訓練は禁止されているリヴァイ兵長だが、訓練指導は行っている。
だから、今ここで、会いたいなら会いに行けばいいという最もなアドバイスをくれたペトラは、毎日朝から晩までリヴァイ兵長と会っているのだ。
羨ましくて仕方がない。

「じゃあ、一緒にしごかれる?」
「…ナナバさんの班がいい。」
「ハンジ班じゃないんだ。」

吹き出すペトラに、巨人オタクも訓練指導の鬼もご遠慮願いたいと教えてやる。
それもそうだと納得するペトラを眺めながら、私は大きくため息を吐く。
もうこの際、私は、朝から晩までずっと大きなため息で呼吸をしているんじゃないかと思うくらいだ。
リヴァイ班の訓練場とハンジ班の訓練場は正反対の場所にある。だから、訓練場で顔を合わすことはない。
たまに食事室でチラりと顔を見ることはあるけれど、本当にチラりだ。
声を掛けたい気持ちもあるけれど、調査兵達の興味津々な目が気になって勇気が出ない。
そもそも、リヴァイ兵長に声をかける勇気が出ない。
どうしようか、声をかけようかー悩んでいるうちに、リヴァイ兵長は食事室から出て行ってしまう。
そして、私はここ一週間、触れるどころか、喋ることも、そもそもまともにリヴァイ兵長の姿を見ることもなく、日々が続いている。
地獄だ。地獄か。
あぁ、そう、地獄なのだ。

「もう、私のこと好きじゃないのかなぁ…。」
「は?」

思わず零れてしまった本音に、ペトラは眉を上げた。
でも、それほどおかしいことを言ったとも思わない。
だって、リヴァイ兵長は私に会いに来てくれないじゃないか。
声だってかけてくれない。
私に会いたいとは思わないのだろうか。
それとも、会わなくても大丈夫なタイプなのだろうか。
せめて、後者ならまだ望みはある。
でも、同じ兵舎の中で生活しているのだから、チラリと顔を合わせたときくらいだけでも、何か言葉を交わしたい。
『おはよう』とかだけでもいいのにー。
なんだそれは、ただの上司と部下じゃないか。
朝の挨拶くらいみんな交わしている、私以外ー。

「もしかして、嫌われたっ!?」

ふと過った最悪の予感に、私は絶望的に声を上げた。
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