【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第102章 ◇第百一話◇花占い【恋の行方編】
兵団を去らなくてもよくなったリヴァイ兵長は、まだ完全に骨はくっついていないものの、部屋の中に閉じこもる必要はなくなった。
訓練と壁外任務以外の任務も再開され、朝から忙しそうにしているようだった。
「会いに行けばいいのに。」
夜、私の部屋に遊びに来たペトラは、ウジウジする私に、とても的確なアドバイスをくれた。
でも、そんなの私だって分かっている。
会いたいのなら、会いに行けばいい。
壁内と壁外で生活しているわけでも、遠距離恋愛をしているわけでもない。
同じ兵舎の中にいるのだから、会おうと思えば、すぐに会える。
しかも、リヴァイ兵長の執務室兼自室があるのは、階段を上がってすぐの上官フロアだ。
あっという間に会いに行ける距離にいるのだけれど、その距離がとても遠く感じるのだ
それこそ、壁内と壁外くらいに遠く。
ハンジさんやエルヴィン団長に用事があって上官フロアに行き、リヴァイ兵長の執務室兼自室の前を通りかかることもある。
でも、そこからは、触れるなオーラが放たれている、気がする。
だから、お世話をするという名目でリヴァイ兵長の執務室兼自室にいたときは叩けた扉が、今は触れることすら出来なくなってしまった。
「用事もないのに会いに行って、重いって思われたくない。」
ベッドの上で、枕を抱きしめて、私はまたウジウジする。
リヴァイ兵長は私よりも年上で大人だ。
私だって、年齢こそは大人かもしれないけれど、それとは違う。
私とは違って、リヴァイ兵長は、いろんな苦労を知っていて、いろんなものを見てきて、経験も豊富だ。
だから、そんな人とどんな風に恋愛をしたらいいのか分からないのだ。
どんなことをしたら喜んでくれるのかも、どういうことをしたら嫌だと思われるのかも。
そもそもリヴァイ兵長が、恋人というものにどういう付き合いを求めているのかも分からない。
あぁ、せめてー。