【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第101章 ◇第百話◇アイツが彼女を愛したワケ【恋の行方編】
『そばにいて、ただアイツの好きなように君を守らせてやってくれ。
男ってのは、それだけで、自分の価値を見出せる単純な生き物だ。』
以前、自分がに言った言葉が蘇る。
(あぁ、そうか…。)
は何も語ることはないだろうし、自分はこれ以上、真実を探るべきではない。
どんなに男がジタバタ足掻いたところで、愛という矢を心臓にさして微笑む女には敵わないのだからー。
「人類最強の兵士を掌の上で転がす女性が現れるとは
想像もしていなかったよ。」
苦笑するエルヴィンに、は、猛スピードで転がされて目がまわっているのは自分の方だと抗議を始めた。
本当に不思議な女だ。
初めて会ったときから、それは変わらない。
でも、調査兵団の兵士として、様々な経験を経て強くなっていく彼女の姿はとても興味深かった。
ただ、義理人情も厚く、仲間想いではありながらも、どこか人との間に壁を作り続けていたリヴァイが、命も立場も捨てても構わないと思うほどにに深入りする理由が正直分からなかった。
確かに美人だ。
王都の親族である大貴族で、容姿端麗、頭脳明晰で、貴族の女性達から引く手あまたの男が、犯罪に手を染めてでも欲しがるのも分かるくらいにー。
でも、リヴァイは容姿で女を好きになるような男ではない。
だからきっと、彼女には何か、リヴァイだけが見えている魅力があるのだろう。
それだけは、分かっていたつもりだったのだけれどー。