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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第101章 ◇第百話◇アイツが彼女を愛したワケ【恋の行方編】


「待て、君に聞きたいことがある。」

部屋を出て行こうとするを引き留めた。
不思議そうにが首を傾げる。
少し前から、兵舎内はリヴァイとの話題で持ち切りだ。
ついに、人類最強の兵士と調査兵団のじゃじゃ馬姫が恋人同士になったーそんな噂は兵舎内を光の速度で駆け巡り、団長であるエルヴィンの耳にも、ウキウキと瞳を輝かせるハンジ経由ですぐに届いた。
でも、漸くかーというのがエルヴィンの正直な感想だった。
リヴァイが命を懸けての命を守り、自分を犠牲にしての心まで守ろうとしていたとき、彼らが恋人同士になってくれたのは、とても有難かった。
リヴァイに対する、親心のようなものかもしれない。
これで、きっと、がリヴァイを支えてくれるーと。
でも、もしかしてー。

「君がハンジとご両親の元へ帰った翌日だったな、
 リヴァイに対する世間の目が変わったのは。」
「はいっ、兵舎に戻ってきたら、新聞に英雄の勇姿が載ってて
 すごく嬉しかったですっ。」

エルヴィンの言葉の裏なんて読もうともせず、は屈託のない笑顔を見せた。
巨人を前にして、凛々しく立つ精鋭兵の面影はそこにはない。
とても無邪気で、無垢で、それでも、幼い少女に見えるわけでもない。
彼女を綺麗な女にしているのは、他の誰でもなく、リヴァイなのだろう。

「君は一体、何をした。」

エルヴィンは、真っすぐにの瞳を見つめる。
彼女は、嘘を吐くのがとても下手だ。
それは、優しすぎる彼女の性格故、だろう。
だから、嘘を見抜く自信なら、あったのにー。

「私は、リヴァイ兵長の好きなように守られてるだけですよ。」

の微笑に、思わずドキリとした。
知らない女を、前にしたようだった。
いや、きっと、リヴァイの前にいるの姿なのだろう。
美しいけれど、美しいだけじゃない。
ただ、がとても綺麗に見えた。
外見だけではなくて、内からくる美しさが、彼女を綺麗にしているようでー。
女の、強さを見たーということなのだろうか。
ふと、そんな思いが頭を過る。

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