【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第101章 ◇第百話◇アイツが彼女を愛したワケ【恋の行方編】
ストヘス区への出向を待たずして、憲兵が走らせた文書によって、リヴァイの兵士としての命が長らえることが決定した。
突如として、手のひらを返したようなあの新聞記事のおかげだ。
あれから、次々に出された後追い記事も、リヴァイの英雄ぶりを称えるものばかりで、今では以前以上に、リヴァイへの世間の目は熱い期待と希望に満ちている。
それは、調査兵団組織に対しても同じことが言えた。
資金援助をしたいと申し出てきた貴族も多くいて、珍しく調査兵団の懐事情が潤っているという、嬉しい非常事態中だ。
それもこれも、がハンジと一緒にストヘス区の両親の元へ会いに行ったあの日からだー。
「ーということでしたので、交通費はかかりますが、
ウォール・ローゼまで立体起動装置の部品を買い付けに行く方が
最終的には経済的だという判断を致しました。」
一任していた立体起動装置の修理についての書類を提出するために、エルヴィンの執務室兼自室を訪れたは、新しい予算案を提案した。
以前の職場である立体起動装置等の修理請負業者の先輩からアドバイスを貰い、調査兵団から出るお金を少しでも壁外調査の方へ回せるようにと頑張ってくれていたようだ。
から書類も受け取り、簡単に確認をする。
元々事務の仕事をしていただけあって、が作る書類は読みやすく、リヴァイやハンジが書類仕事を彼女に押し付けたくなるのも頷ける。
書類に問題はないこと、予算案を検討することをエルヴィンが告げれば、はホッと息を吐いた。