【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第100章 ◇第九十九話◇お土産をどうぞ【恋の行方編】
ルーカスがこんなにも早く願いを叶えてくれるとは思っていなかった。
きっと、私が屋敷を出た後、すぐに新聞社に指示を出してくれたのだろう。
さすが、黒幕だっただけあって、事件の詳細についても詳しく知っているから、記事の内容も完璧だった。
この記事がきっと、リヴァイ兵長を救ってくれる。
「私が帰ってきたときも兵門にたくさんの新聞記者の人達がいて、
英雄の話が聞きたいって騒いでましたよっ。さすがリヴァイ兵長ですねっ。」
ニコリと笑顔を向ける私を、リヴァイ兵長は何かを探るようにジーッと見つめた。
そしてー。
「お前が、何かやったんじゃねぇのか。」
疑い深い目は、決して、怒っているようではなかった。
ただ、真実を知りたくて、そして、不安そうでー。
「まさか、調査兵の下っ端が何をしたらそんなすごい記事出せるんですか。
そりゃ、確かに私はリヴァイ兵長が大好きですけど、すっごく好きですけど、
愛のパワーだってそんなの無理ですよ~。」
アハハー。
笑いながら、私はリヴァイ兵長が持っている新聞記事を手に取った。
こちらを睨むようなリヴァイ兵長の似顔絵が可笑しくて、本当に笑える。
笑いが止まらない。
嬉しくて、ホッとして、リヴァイ兵長が隣にいると、何だって楽しい。
「リヴァイ兵長は、やっぱり凄いですねっ。」
だって、心からそう思うのだ。
リヴァイ兵長のためなら、何だって出来るという人が、この世界に何人いると思っているのだろう。
きっと、この人は、そんなこと知りもしないでー。
自然と零れた笑顔に、リヴァイ兵長が瞳に揺らす疑いの色が次第に消えていくー。
「お前には敵わねぇよ。」
苦笑気味の声を、耳元で聞く。
やっぱり、リヴァイ兵長は、抱きしめるのが好きだ。
私も、リヴァイ兵長に抱きしめられるのが、大好きだ。