【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第96章 ◇第九十五話◇果たし状【恋の行方編】
訓練を終えた私は、ハンジさんの執務室兼自室を訪れていた。
私のお願いを聞いて、いつもならなんだかんだと笑顔で許してくれるハンジさんも、さすがに眉を顰めた。
「それは、許可を出せない。」
「どうしてですか?」
「今、兵舎の外は取材だとか言って新聞社が殺到してる。
爆弾犯に狙われた君だって、落ち着くまで外出禁止だと
エルヴィンから指示を出されてるだろ。」
「だから、ハンジさんにお願いをしに来たんです。
私をこっそり兵舎から出させてください。」
「そんなこと許せるわけないだろう。」
「じゃあ、教えてください。調査兵団の報告書に私の名前はありませんでした。
だから、私があの爆発の場所にいたことを、調査兵以外は知りません。
それなのに、どうして、私まで外出禁止令を出されるんですか。」
「には、リヴァイのそばで世話をするという任務を任せている。
それを放り出して、王都に行くなんて許せるわけがない。
そもそも王都なんて、貴族や王族でない限り行けないんだよ。」
ハンジさんは頑なだった。
肝心なことは何も語らず、それでも、絶対に首を縦に振る気はないようだ。
「それは大丈夫です。きっと、ルーカスが迎えに来てくれます。」
「なッ!?」
「会いたいって、ルーカスに手紙を出したんです。」
「どうしてそんな勝手なことをするんだ!!
自分が何をしたか分かってるのかッ!?」
怒鳴ったハンジさんが、デスクを両手で強く叩いた。