【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第96章 ◇第九十五話◇果たし状【恋の行方編】
「今日はリヴァイ兵長のところに行かないんですか?」
数日後の朝、宿舎を出たところで顔を合わせたアルミンは、私が腰につけた立体起動装置を見て、すぐに察したらしかった。
さすが、104期の頭脳だ。
彼が探偵だったら、真犯人だってすぐに見つけてくれる気がする。
「部屋で仕事ができるくらいには回復したから、
食事を持って行くくらいしかすることがなくなっちゃってね。
それに、私もそろそろ本格的に訓練に参加しないと、体力が落ちてどうしようもなくて。」
「そうですか。
でも、元気になってくれて、本当に良かったです。」
アルミンは、ホッとしたように胸を撫でおろし、嬉しそうに微笑む。
今日は、104期の新兵達も訓練らしく、一緒に訓練場に行こうと誘われたが、遠慮させてもらった。
「あ、手紙出しに行くところでした?」
「あー、うん。果たし状なの、これ。」
手に持っていた手紙を、少し上にあげて、私は苦笑する。
手紙なんて、優しいものではないからー。
「果たし状?」
「そう。これ出してから、私は訓練場に行くから、
また、あとでね。」
「はいっ。」
訓練場へ走って向かうアルミンに手を振ってから、私も郵便所へと向かう。
昨日、骨の様子を確認しに来た医療兵は、まだ完全にくっついてはいないものの、激しい運動をしなければ日常生活を送ってもいいと判断した。
その結果を受けて、延期になっていたリヴァイ兵長のストヘス区への出向が、今度こそ2週間後に正式に決定した。
それまでに、必ずー。
拳を握り、力強く地面を踏む。
私は、彼の生きる場所を、誰にも奪わせたくない。
命を懸けて守りたいと思える、大切な仲間達のいる、彼の居場所をー。