【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第95章 ◇第九十四話◇幸せな一日の、最初の日【恋の行方編】
私の恋は叶った。リヴァイ兵長が叶えてくれた。
だから、こんなに嬉しい。幸せだ。
でも、私は、ジャンの恋を叶えてあげられなかった。
それでも、ジャンは、応援してくれた。
弟としてー。
チクリと痛む胸は、確かにジャンを想ってだった。
それが恋としてではなく、仲間として、弟としてでー。
「そうか。」
リヴァイ兵長は、もうそれ以上何も言わず、ただ深く私を抱きしめた。
そこにも確かに、リヴァイ兵長からのジャンへの想いがあるように思えて、やっぱり、素敵な人だなと再認識する。
「それで、リヴァイ兵長はヤキモチ妬いたんですか?」
「…妬いてねぇ。」
「えー、嘘だぁ。絶対、ヤキモチ妬いてー。」
からかい過ぎたのか、リヴァイ兵長にベッドに押し倒された。
強引に唇を塞がれた後、顔を上げたリヴァイ兵長は不機嫌に眉を顰めたままだった。
「妬いてねぇ。」
あまりに真剣に言うから、笑いそうになったけれど、必死に堪える。
それに、どっちだっていい。
今はただー。
「分かりましたから、もう一回、キスしてください。」
私の手がリヴァイ兵長の後頭部にそっと回る。
少し意外そうにした後、リヴァイ兵長は満足気に口元を歪めた。
「仕方ねぇな。」
口調こそ素っ気ないのに、私の前髪をかき上げる手は優しくて、心地いい。
何度唇を重ねても、高鳴る胸の鼓動さえ今はひどく愛おしかった。