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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第12章 ◇第十一話◇訓練【調査兵団入団編】


「動体視力がいいんだね。私達の動きだけではなく、巨人の動きもよく見ている。」

ナナバも感心しているようだった。
これで、あの怒りモードのナナバに明日からは会わなくて良くなると思うと、涙が出るほど嬉しい。

「よかったな。これで入団テストもパスして合格だぜ。」

ゲルガーが私の肩を叩いた。

「そうだね。」

よかった―、とはどうしても、どうしても言えなかった。
確かにの戦闘スキルは、たった1回の壁外任務で格段に上がった。そもそも彼女はまだ調査兵団の兵員ではないのだと思えば、これは驚くべき快挙だ。
まだ巨人への恐怖心は消えていないようだが、それは他の調査兵についても同じこと。
一般市民との違いは、恐怖に負けずに巨人に立ち向かえるのかということだ。
それも、拠点設置の任務の帰還中に3体の巨人討伐という結果があればクリアしたことになる。
ゲルガーの言う通り、入団テストをパスして合格してもいいくらいの実力がある。
たった一つの問題を除けば、だが―。

「このあたりの巨人はあらかた討伐し終えたようです。」
「さぁ、休憩をしようか!」

モブリットの報告を受けて、ハンジが声をかけると、は心底ホッとしたような顔をした。
とりあえず、目に見える一番近い高い建物の上を休憩の場所と決めて、任務班全員で立体起動装置で移動する。
今回、普段の帰還時の倍は休憩を挟んでいる。
覚悟していたことではあるが、想像以上には体力がない。
今まで体力をつけるような運動もしていなければ、つけたいとも思わなかったのだろう。
『疲れた』『休みたい』とか泣き言や弱音を吐かないことは評価してあげたいが、これだけ体力がないと今後の壁外任務についてこられるとは思えない。

(さて、どうしようか…。)

数日前まではお洒落なスカートをはいて貴族の恋人とデートをしていたであろうは、身なりを気にする余裕もない様子であおむけに倒れこんでいた。

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