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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第12章 ◇第十一話◇訓練【調査兵団入団編】


ウォール・マリアの青い空に、白い蒸気が上がる。
消えていく巨体の向こう側に、他の兵士よりも一回り華奢な姿が見えてきた。
神々しく見える。なんて美しいんだろう。
だって、ハンジは、賭けに勝ったのだ。

「これで3体目だ。信じられないよ。これがあのだなんて。」

呆然と立ち尽くすナナバの気持ちがよくわかる。
ハンジも、初めての訓練風景を見たときは同じ気持ちだった。
でも、これが本来の彼女の実力なのだ。
自分の見立てに間違いはないと証明出来て、本当に良かった。

「!!そこに残ってたら危ないからこっちに上がっておいで!!」

声をかけてすぐには立体起動装置を駆使して、建物の屋根の上に飛んできた。
今では立体起動装置の扱いもお手の物だ。

「すげぇな、!まぁ、おれには劣るけどよっ。」
「ちょっと、痛いですっ、ゲルガーさんっ。」

髪をもみくちゃにするゲルガーの大きな手を必死に払おうとするにもようやく明るさが戻ってきていた。
入団テストの合格への希望が見えてきたおかげだろう。
2日前、壁外任務に同行させると言ったときに絶望的な顔をした彼女は、もういない。
本当に良かった―。
そう思っていいのか、悩む権利は、自分にはない。
あのまま訓練がうまくいかずに調査兵団に入団できなかった方が、彼女や家族にとっては良かったのかもしれない。
そんな思いを必死に振りほどいて、ハンジはこの日を迎えた。
予想通り、は、ゲルガーの討伐スキル、ナナバの討伐補佐のスキルをあっという間に身に着けた。
拠点設置任務の同じ班の調査兵達の立体起動装置の扱いから、うまい使い方も分かってきたようだった。
この場で、誰が一番生きるスキルに長けているのかも理解しているのかもしれない。
が真似をするのは、特に精鋭の調査兵の技術ばかりだ。
ここにリヴァイがいたら―。
すごい想像をしてしまって、ハンジの脳はしびれている。

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