【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第12章 ◇第十一話◇訓練【調査兵団入団編】
誰もに意地悪をしたいわけではない。
むしろ、彼女の命を無駄死にで終わらせないように、必死に考えているのだ。
彼女の命が、調査兵団の役に立つ可能性が少しでもあるのか、ないのか―。
「それで、てめぇは何がいいてぇ。」
リヴァイが聞いてくれた。
これは大きな前進だ。
「訓練でが力を発揮できなかったのは、危機感が足りなかったから。
それとなにより、真似をするべき兵士がいなかったからだ…と私は思うんだ。」
「真似をするべき兵士か。」
「いや、ナナバ、そうじゃないんだ。君たちが真似するに値しないと言っているわけじゃー。」
「あぁ、分かってるさ。確かにおれ達は、の指導をするにあたって
立体起動装置の性質や扱い方を言葉でみっちり教え込んだ。
それを理解してねぇと壁外で真っ先に巨人の胃袋だからな。」
「その通りだよ、ゲルガー。でも、彼女は頭で考えるんじゃなくて、
目と身体で覚えるタイプだったんだよ。
しかもそれは、危機的な状況であればあるほど、力を発揮する。」
その日の会議はを壁外任務に行かせるか、行かせないかで意見が割れた。
そして、後日、エルヴィンが答えを出した。