【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第85章 ◇第八十四話◇あなたが生きているだけで…【恋の行方編】
「っ!!怪我はないかー、って、えッ!?リヴァイっ!?」
私の元に駆け寄ってきて、やっぱり、他の兵士達と同じようにリヴァイ兵長に気づいて驚きの声を上げた。
どうしてーとパニック気味に訊ねるハンジさんをとりあえず無視して、数名の医療兵士とモブリットさんが、リヴァイ兵長の身体をゆっくりと持ち上げ、私はソファから立ち上がった。
そして、またそっとリヴァイ兵長をソファの上に寝かせる。
「なぁ、どうしてリヴァイがいるの?
走っていなくなった後、すぐにを見つけたってこと?
じゃないと、私達より先にこの小屋にくるなんて無理だろ?」
「よくわかりませんが、が言うには、
リヴァイ兵長が助けに入って、代わりに暴行を受けたと…。」
「なんでっ?!リヴァイなら、チンピラごときすぐ蹴散らせるだろっ?!」
「を人質にとられていて、手を出せなかったのでしょう…。」
ハンジさんとモブリットさんが話をしている横で、私は、医療兵士達がリヴァイ兵長の脈や傷の状態を確認し始めたのを不安そうに見ていた。
すると、医療兵の1人が立ち上がり、私の元へやってきた。
そして、私の手をとってから口を開く。
「両手を縛られてたの?」
「え?あ…、そうでした。」
そういえば、そうだったー。
自分の両手首を見ると、擦り傷が出来ていた。
どうにか外れないかと手首を動かしたときに出来たのだろう。
「薬を塗っておこう。」
「大丈夫ですっ。それより、リヴァイ兵長をー。」
「あっちは、アイツらがやってるから大丈夫だ。
それより、に擦り傷の痕ひとつでも残しちまったら、
リヴァイ兵長が目を覚ました時に、俺が怒られちまう。」
大袈裟に冗談っぽく言って、医療兵士は私をソファの端に座らせた。
そして、私の手首に傷薬を塗りながら、他に痛いところや、怪我はないかと訊ねてくる。
本当に、そんなことどうでもよかった。
どこか痛いところがあるのかないのか、それすらも分からないくらいに、リヴァイ兵長の容態が気になって仕方がなかった。