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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第12章 ◇第十一話◇訓練【調査兵団入団編】


今にも泣きだしそうな弱弱しい表情は、昨日までの彼女とは別人のようで胸が痛んだ。
だって、ハンジはこれから、彼女がもう二度と思い出したくないと思っているだろうあの日のことを思い出させようとしているのだから。

「あの日、君の戦い方は一貫しているように見えた。
 そもそも、君は兵士の戦い方なんて知らないはずだろう?
 どうして、巨人のうなじを削ぐことが出来たんだい?」
「うなじを削ぐ?」

が不思議そうに首を傾げる。
やっぱりだ。彼女は巨人がどうやったら死ぬのかを知らないのだ。
知らずに、百発百中で巨人を討伐していたのだ。

「は?彼女が巨人のうなじを削いだっていうのかい?
 嘘だろ?」
「おいおい、ハンジ、そんな冗談はやめてくれよ。 
 確かに美人だからそばに置いておきたい気持ちもわかるが、
 は巨人のうなじを削ぐどころか、踏み潰されて終わりだ。」

今のしか知らないナナバとゲルガーがそう思うのも当然だろう。
でも、は確かに巨人を討伐していた。
そこら辺の駐屯兵団なんかよりも多くの巨人を駆逐したのだ。
あの日の巨人掃討作戦にて、彼女の功績は褒めることは出来ても、貶すことなんて誰にも出来ない。

「あの…、言ってる意味がわからないです。
 うなじがどうしたんですか?」
「ほら、この子は巨人の急所すら知らないんだよ。
 そんな子に巨人の討伐なんて―。」
「黙っててくれ、ナナバ。」

ハンジに制止され、不服そうなナナバだったが、ゲルガーも含め、2人がこれ以上口を挟むことはなかった。
だから、ハンジはあの日からずっと気になっていたことを訊ねてみた。

「あの戦い方は、誰に習ったんだい?」

巨人の急所すら知らない彼女が、巨人を討伐できるはずがない。
それならば、誰かに習ったとしか思えなかった。

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