【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第12章 ◇第十一話◇訓練【調査兵団入団編】
「!!ちょっとこっちにきて私と話をしないかい?」
ハンジが名前を呼ぶと、今まさにアンカーでゲルガーを殺そうとしていたの動きが止まった。
命拾いをしたゲルガーに許可をもらいやってくるも絶望した顔をしている。
こんなに下手くそだとは、本人も想像だにしていなかったのだろう。
「お疲れ様。君のご家族の引っ越しの準備を進めてきたよ。」
「…あの、本当にごめんなさい。」
はこっちが可哀想になるほどに申し訳なさそうに頭を下げた。
ハンジが気にしなくていいからと頭を上げるように言っても、彼女は頭を上げようとはしない。
入団テストに合格できる自信がなくなったのだろう。
でも、彼女には何としてでも入団テストに合格してもらわないと困る。
ナナバだけではなく、エルヴィンにもピクシス司令にも怒られるのはハンジなのだ。
それに、あのときの彼女の力をもう一度発揮できれば、必ず調査兵団の役に立つはずなのだ。
何より―。
「頭を上げてくれよ…。」
震える背中は、それでも頭を上げてくれそうにない。
さっきまで怒っていたナナバでさえも、不憫そうに彼女を見下ろしている。
何よりハンジは、家族のために必死に大嫌いな相手に頭を下げる彼女の気持ちに応えてあげたい。
「大切な話があるんだ。だから、顔を上げてほしい。」
「…はい。」
がゆっくりと顔を上げた。