【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第12章 ◇第十一話◇訓練【調査兵団入団編】
次の壁外調査は、エレン・イェーガーの巨人化を利用してのウォール・マリア奪還に向けての最初の一歩となる。
もちろん、兵法会議にてエレンの身柄を調査兵団で受け入れる許可が下りることが大前提だが、そのための準備や計画も抜かりない。
だから、今は、その壁外調査のための準備をしっかりとしておくことが大切になる。
そのひとつがカラネス区からシガンシナ区までのルート拠点設置の任務だ。
壁外での仕事になるので危険な任務だ。
それを承知の上で、その大切な壁外任務の会議の中、ハンジは危険な賭けに出た。
大反対されることも分かっていた。
「何を言ってるんだ、ハンジ。」
エルヴィンが眉を顰める。
その顔、想像通りだ。
「だからね、拠点設置の任務にを連れていきたいって言ったの。
ちゃんと私が面倒みるから、いいでしょ?」
「いいわけねぇだろ、クソメガネ。
ちょっとそこまでおつかいに連れていくみたいに言うんじゃねぇ。」
リヴァイの怖い顔と睨みも想像通りだ。
怖くない。-ちょっとしか。
「ナナバとゲルガーからは、彼女の入団テストの合格は絶望的だと聞いているが?」
「はい、まだ訓練初日ではありますが、彼女は兵士の基本を学ぶどころか、
立体起動装置の操作が予想のはるか斜め上をいくほど、壊滅的です。」
「これからうまくなるとも思えねぇ。センスがねぇんだ。
入団テストを受けるレベルに達することすら無理だろうよ。」
「だそうだ。そんな人間を壁外に出すのを許可することは出来ない。」
会議に参加している調査兵団の幹部全員が、ハンジが逸材だとつれてきた民間人の女がいることは知っている。
今では、調査兵達にも噂が伝わり、調査兵団内にのことを知らない人間はいないほどだ。