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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第83章 ◇第八十二話◇魔法の呪文を唱えて【恋の行方編】


痛みを感じて眉を顰めた私は、ゆっくりと瞳を開けた。
身体を起こそうとして、両手を後ろ手に縛られていることに気づく。
冷たい石床の上に転がらされたまま、ここはどこかと視線だけを動かした。
どうやら、廃屋になった工場跡地のようだ。
壊れた機械や鉄パイプが転がっている。
雨が降り出しているのか、雨音も聞こえている。
薄暗い視界の中に、調査兵の兵団服を着た3人の男の背中が見えた。
パイプ椅子に腰を降ろし、酒を囲んで、自分達の仕事がうまく行ったことを喜んでいるようだった。
その近くにカバーの破れた古い大きなソファがあった。そこに座っているのは見たことのない中年の男だ。
威張った態度で、でっぷりと膨らんだ腹を擦るその男のそばには、側近のような男達も数名確認できた。
あれが、爆弾犯だろうかー。

「お、お姫様がようやくお目覚めか。」

楽し気に酒を呑んでいた金髪の男が、振り向いて、私が目を覚ましたことに気が付いた。
酒を持ったまま嬉しそうにやってきて、転がる私の前に屈んで腰を降ろす。
その後ろから、取りまきの茶髪の男達もニヤニヤと口元を歪めながら嬉しそうに近づいてくる。

「お前が起きるまで待っててやったんだぜ?
 俺達って紳士じゃね?」

金髪の男は、私の前髪を乱暴に掴むと、強引に顔を上げさせた。
キッと睨みつける私を見下ろし、またあの満足気な嬉しそうな笑みを浮かべる。

「反応ねぇとつまんねぇからだったりして。」
「それは言うなってっ。」

ギャハハハハー。
私を連れ去った若い男達が、至極楽しそうに笑う。
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